団員の声(感想文)
その感情は突然湧き起きた!
第二班 下田班 鶴修輔
その感情は突然湧き起きた!旅の最終日、烏来郷の高砂族義勇隊戦没英霊記念碑での慰霊感謝の式典時、小菅団長の挨拶で、高砂族の英雄戦士達が南洋の島々やインパールのジャングルでの勇猛果敢な〈活躍〉・彼等の日本人としての〈誇り・心意気・スピリット〉の話をされた。その話を聞きながら元いた会社の上司にインパール作戦で戦った兵士がいて、小野田さんの話にあるように雨季には斜面で顔だけ直接雨に当たらないようにして立ったまま寝た話や、戦傷に蛆が洶く話などを思い浮かべながら聞いていて、戦士に対し〈申し訳ない・すまない〉と感謝と慰霊の気持に浸っていた。その時!その感情は突然湧き起きた!
自分の親父様の声がしたような気がした、顔(写真顔は知っている)も声も覚えていないが、伯叔父貴達やお袋様から聞いている親父様は理想の好漢として自分の中に鎮座して御座る。
①満州で五族協和の楽土を実現せんものと粉骨砕身して建国に邁進した話。
②敗戦時は家族離散や死をも覚悟し女房子供を最後まで手許におき、家族離散に備え各自の左腕肘付近に2mm程度の入れ墨を入れた話(当時私は3歳7ヶ月・妹は生後5ヶ月)。
③自分は満州国引き渡しの責任者の仕事をして後、暫くして、昼は蒋介石軍の高級将校、夜は八路軍の指揮官との噂のあった支那の軍人と「一寸と出てくる」と出て行ったきり二度と帰らず(私の長兄は出る前の親父様に呼ばれ話をしているので親父様の覚悟は聞いているものと思う、話によるとその後の兄貴は今までの〈坊ちゃん〉とは打って変わって強くなったとか。引き揚げ後の兄貴は確かに中学・高校共に勉強も一番・喧嘩も一番を通した。)
詳細は省くが話によると満州の佳木斯(チャムス)で刑死したとか(この話はお袋様の通夜の挨拶で親父様はまだ生きていると一番主張して、葬儀の真似事や遺族申請・死亡宣告の受け入れをお袋様にさせなかった伯父貴から聞いた話として述べた。)この話も兄貴に遠慮したのか、何か自分でも分からないが、いろいろあって間も無く兄貴が亡くなり詳しく聞いていない自分が悔しい、その親父様の50年忌はやったが、「中国は嫌いだと」の一言で満州を尋ねることも、今回のような〈慰霊の旅〉など想念いもしなかった自分に対する腹立ちさ・悔しさ・満蒙の地で散華した日本人はじめ満州建国に勤しんだ五族の人達への感情・特に親父様には〈済まない〉〈申し訳ない〉〈可哀想〉〈…〉で満たされた。また、台湾で亡くなった日本人(台湾の人も含)がうらやましかった!。
子供の頃から親父様は快男児だったようで逸話には事欠かない(井上靖の自伝的小説三部作の最終〈北の海〉の城下町の章に〈鶴永次〉を捩り〈鳶永太郎〉という名で登場する。)それ等の話を中心に他人様には話していた。自分の中では笑って話せるようになっていた。つもりが、とんでもない!今後は笑うどころか話も出来ない。台湾からの帰りの道中、時には親父様のことを思い出して〈すまない〉〈すまない〉と胸の内で呟き、一方では現状どうするものと思い〈あれ〉や〈これ〉や思いつつ帰路に就いた。多分これからは話出す前に…の泪が先に出るだろう。
第12次 団員の声(感想文)全26件
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- 日本人の誇りを取り戻す慰霊訪問の旅(下田純子)
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- 日本人としての誇りを感じた3日間(エドワーズ博美)
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- その感情は突然湧き起きた!(鶴修輔)
- 心ゆくまで君が代を斉唱できたのも爽快の極み(菅沼寛・菅沼由美)
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