団員の声(感想文)
第21次台湾慰霊訪問団に参加して
統制・第二班 班長 木下修
林余立さん
今回の訪問で私が最も心に残った元日本人の方でした。
林さんとお会いしたのは台中での交歓夕食会の席でした。林さんはその席で昭和2年生まれの92歳で、元帝国海軍整備兵だったことを自己紹介されました。実は私の亡くなった父もやはり同じ年生まれの海軍予科練兵だったこともあり、身近に感じお話しさせていただきました。林さんと私の父は昭和2年生まれだけでなく生まれた月まで同じだったこともあり、益々親近感を覚え何か林さんが父と重なってくるように感じました。
その時林さんが6月に大阪に行って、「死ぬ時は日本人として死にたい」と台湾出身の方3名で裁判所に日本国籍回復を求め提訴されたことを話されました。私も産經新聞でたまたまその記事を読んでおり、写真も記憶にありましたので、お話を伺って同一人物であることが直ぐに分かりました。
かつて我が国は大東亜戦争に負けてしまい台湾の日本人をみすみす見殺しにしました。彼らは戦後2・28事件をはじめ悲惨な白色テロと38年間に及ぶ国民党による戒厳令下で過酷な境遇の中、生き延びざるを得ませんでした。それでも英霊を祀り、日本人の薄情さを恨むことなくひたすら日本を恋い慕い、日本精神を信じて暮らして来られたことを思うと何とも言えない気持ちになりました。私はそんな林さんをはじめ元日本人の真に一途な気持ちに触れ改めて胸が熱くなりました。
今、中共は台湾併呑には武力も辞さないと公言して様々な謀略工作を台湾で行っています。現実に台湾選挙に於いて中共の介入が行われている事を蔡英文総統が言明していることを現地の新聞で読みました。現在の香港での内乱状態を見るに一国二制度が中共の詭弁ということは明らかです。香港を見ながら台湾の方々は危惧されているだろうことは容易に想像できます。
東日本大震災の時、わが事のように心配し250億円もの義捐金を送って我々を助けてくれた台湾、日本精神を大事に守り続ける同じ家族である台湾。
私は今回の慰霊訪問団に参加して、日本人は台湾の日本人をもう二度と裏切り、同じ目に合わすことはあってはならないと強く感じました。
第21次 団員の声(感想文)全26件
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