団員の声(感想文)
反日教育の怖さと真実を伝えることの重要性
第二班 池田班 向井百合子
初めて慰霊訪問団に参加させて頂きましたが、これからの自分の生き方を考えさせられる、とてもかけがえのない経験となりました。恩師である下田先生ご夫妻からお声掛け頂いた時、丁度、日本統治時代の日本人の功績を自分の目で確かめたい、本当に台湾の方達が日本人に好意を持っているのかどうかということを確認したいと思っていたので、迷いもなくすぐに台湾行きを決めました。ですが、実はツアーの書類が送られてくるまで慰霊訪問団として参加する旅とは知らず、書類に目を通して事の重大さに驚きました。同時に責任感と多少の不安、そして普通の旅とは違う貴重な体験ができるのではないかという期待感が膨らんでいきました。
初めて団員の皆さまにお会いした時は、日本人の代表として台湾を訪問し慰霊するという強い責任感を感じ、身の引き締まる思いでした。
最初に訪れた烏来で、初めて日本人として戦った台湾人の方がいらっしゃったことを知りました。今も語り継がれる高砂族のご子孫の方達が日本からの訪問を喜んでくださる姿を見て、慰霊団の役目が少し分かったような気がしました。
烏山頭ダムの八田與一氏については話を聞いておりましたが予想以上でした。訪れて初めて、環境に優しい設計だったことや高度な技術で高い評価を得ていたこと、記念館や宿舎の日本家屋まで復元されていることを知り、日本人の緻密さや勤勉さ、そして優秀さを窺い知ることが出来ました。
東龍宮では、田中綱常氏始め4人の日本人を祀るために台湾人の石羅界氏が私財を使って立派な廟を建て、しっかりと祀って下さっていること、そして田中綱常氏がエルトゥールル号事件の遭難者をトルコまで送還した艦船の船長だったことを知り驚きました。3年前、トルコに観光で訪問した際、見ず知らずのトルコの方達が笑顔で歓迎して下さり妙に居心地が良くて何故かと思っていたら、エルトゥールル号事件のことが小学校の教科書で伝えられ、日本に対して好感を持っていること、さらにイラン・イラク戦争ではトルコが危険な状況のイラクへ日本人を救出に行ったのもその恩返しだったと知りました。今回の台湾訪問でも、エルトゥールル号事件のように、多くの日本人が知らない後世に伝えるべきことがあるのではないかと思っていたので、石羅界氏や田中綱常氏のことを知った時は感動を覚えました。
飛虎将軍廟については、今年の4月、ある経営者の方のセミナーで知り、台湾に行ったらぜひ訪れてみたいと思っていました。その経営者の方は、飛虎将軍の慰霊祭に参加された際、飛虎将軍の神輿が無いことを知りご自分が寄付することを申し出たと言われていました。今回、神輿が慰霊祭に間に合ったという話を現地で聞くことが出来、関係者の方が喜んでいる姿を見てとても嬉しく思いました。同様に保安堂に行った際も龍柱を寄付されたことを伺い同じ日本人としてとても誇らしく思え心が温まりました。
宝覚寺の慰霊祭に参加した時、野沢ご夫妻の集骨のこと、慰霊団の式参加のいきさつのこと、また従軍看護婦として参加した女性が日本に感謝していて日本統治時代のことを伝えて欲しいと熱く語られたこと、すべてが英霊の導きなのではないのかと感じました。
台湾教育の聖地と称される芝山巌では、六士先生のことや台湾の近代教育の基礎が日本時代に作られていること、日本精神が生き続けていることを知りました。ダムや鉄道の整備、三毛作など生活の向上だけでなく、道徳教育により精神的な向上にも貢献した先人達、同じ日本人として尊敬の意を覚え、先人達に恥じないような生き方をしなければいけないと強く思いました。
毎晩催された歓迎夕食会。黄文雄先生主催の夕食会では、二二八事件への抵抗運動に参加し逮捕され、政治犯として14年7カ月にわたって孤島に投獄された鐘紹雄先生と同席させて頂き、台湾の危機的状況を伺う貴重な機会にも恵まれました。また台湾支部長ご家族様、台湾台日海交会様、台湾中日海交協会様、台日文化経済協会様の歓迎夕食会では拍手でお出迎え頂き、東龍宮、保安堂、富安宮、濟化宮、中華民國外交部、高雄市政府といった公的機関でも行く先々で歓迎して下さり、とても優しく微笑みかけて下さいました。今でも台湾の皆様の笑顔が鮮明に残っており、ずっと日本に好意を寄せて下さっていたのだと実感しました。そして、これまで何も知らなくて申し訳ないという気持ちと、今も愛し続けてくれて有り難うという感謝の気持ちが溢れて仕方ありませんでした。
同時に、私は今まで何を学んできたんだろう、日本人の私たちが反日教育を受けてきたのではないか、日本人として誇りに思える事実が伝わっていない教育の怖さと重要性を強く感じました。慰霊団に参加して気付いたことが山ほどありました。日本に戻って、日本人として勇敢に戦って下さった台湾の方達が、台湾と日本を守る為に戦った英霊を祀って下さっていること、日本人に感謝し愛し続けて下さっているということ、台湾には今も日本精神が残っているという事実を伝えていきたいと思いました。
慰霊団として台湾を訪問することが出来て心から良かったと思います。このような意義ある体験はかけがえのない宝物となりましたし、何より楽しかったです。これも平成11年から続けてこられた団長やスタッフ、団員の皆様、そして徳を積まれた先人達のおかげです。心から感謝申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。
第16次 団員の声(感想文)全25件
- 台灣との絆の深さ(松俵義博・松俵茂子)
- 台灣には心を呼び込む大きなものがある(永田昌巳・永田タマミ)
- 芝山巌事件と六士先生 ― 日本を映す鏡 台灣(木村秀人)
- 慰霊訪問団員としての自覚(下田健一・下田純子)
- 日台次世代の新たな日台関係の構築を(原田泰宏)
- 6分6秒6を戦い抜いた英雄たちの物語り(小倉和彦)
- 参加すればより良い日本人になれる(大山猛)
- 日本人が失っている大切な精神との出会い(津留毅)
- なにおもふ きみのまなこに わがまこと(永濱浩之)
- 感謝状(永濱武司)
- 日本人であるということは嬉しくて有り難いこと(舩津邦彦)
- 祖父の面影にふれる慰霊の旅(松下美佳)
- 魂を磨き学んで行きたい(前田マツヨ)
- 反日教育の怖さと真実を伝えることの重要性(向井百合子)
- 台湾へ慰霊訪問(吉田周司)
- 烏来の山々に響く魂籠る「君が代」(吉田喜久子)
- 日本の心と時代の決意を伝えてゆく(森岡敬子)
- 人生が変わる旅(名越譲治・名越美智子)
- リップンチェンシン(髙間光廣)
- 日本の若者達に慰霊訪問を薦めたい(関文彦)
- 天からの御褒美、台湾慰霊の旅(鶴澤美枝子)
- 大きな母の胸に、温かく包まれた気持ち(富原浩)
- 体感できた日台の生命の絆(桐谷勝)
- 継続は力なり―慰霊訪問にマンネリなし―(岩本宣善)
- 初めての海外旅行は心に残る慰霊の旅(松葉邦子)