団員の声(感想文)
日台次世代の新たな日台関係の構築を
副団長 原田泰宏
今回で5回目の参加になりました。今回も貴重な体験をさせていただき、意義ある慰霊訪問を計画・催行された小菅団長、事務局の方々に改めて御礼を申し上げます。
さて、今回の慰霊訪問でいくつかの体験と意見を紹介させていただきたいと思います。
【その1】
毎回お会いする元日本人として尽力された元従軍看護婦4人の方が、今年も90歳を超えるご高齢にも拘わらず、晩餐会と慰霊祭に参加されました。今年は更にお仲間が新たにお1人加わられ5人に増えました。全員揃って参加されたことは、その年齢を考えると奇跡ではないかと感激しました。先の大戦で亡くなられた日本人として戦われた台湾人の御英霊のご加護に感謝いたします。
【その2】
嘉義の富安宮で30歳前後の若い人に挨拶をしましたら、ちゃんと私たちの事を覚えておられました。富安宮は高雄の保安堂などと比べると地元の方の視線や周辺環境から緊張感を感じて地元の方に話しかけるのが憚れましたが、少し勇気を奮って若い方に話しかけたのでした。そしたら、近所のどこそこにおいしいカラスミを出すレストランがあるとか初対面にも拘わらず、親しみを込めて盛んに話しかけられました。若い人も親日であることを実感しました。話しかけてみて本当に良かったです。
【その3】
八田與一記念館近くで家族連れの方と目が逢ったとき、自然と挨拶をされました。日本と関係あるかなと確かめましたが、特にそうでもなく、日本人に対する親近感の表れなのでしょう。一緒に写真をお願いされることもありました。こういうことは他の箇所でもよくありました。
【その4】
宝覚寺で挙行されています慰霊祭は、主催者の高齢化により継続的な実施が危ぶまれるように感じました。
このような体験を通して次のようなことを考えました。それは、現在台湾の方々の日本に対する親日の感情は、戦前の日本人が築いてきた結果であり、いつまでもこれに甘えていれば親密な日台関係は疎遠になっていくでしょう。世代交代が進んでいる日台にふさわしい日台関係を構築しなければなりません。幸い、台湾の若い方の私たちに対する親日感情を実感しました。しかし、日本の若い人は台湾のことをほとんど知りません。(戦後生まれの年配の日本人もほとんど知りませんが。)また、台湾の方が持っている日本に対する親近感ほど台湾に対して親近感を持っていません。
日本で勉学している台湾人留学生への支援や、台湾にいる台湾の若人と日本の若人との交流等を通して、次世代の日台友好関係構築を自分の宿題としようと思います。
言い忘れましたが、もう一つの経験を紹介させていただきたいと思います。烏來のお土産店の店頭で、ご主人が93歳で日本軍だったとそのご婦人が話されたので、店の奥に行ってご主人に日本語で挨拶しました。帳簿をつけていたご主人から綺麗な日本語で丁寧なご返事をいただきました。日本語世代の方にお会いすると、親戚に逢ったような懐かしみを覚え、逢えたことにお礼を言ったり長生きを願わずにはおれません。
最後に、日台関係の構築に貢献している慰霊訪問団の継続を期待しつつ、その実現に微力ながら協力していきたいと思います。
第16次 団員の声(感想文)全25件
- 台灣との絆の深さ(松俵義博・松俵茂子)
- 台灣には心を呼び込む大きなものがある(永田昌巳・永田タマミ)
- 芝山巌事件と六士先生 ― 日本を映す鏡 台灣(木村秀人)
- 慰霊訪問団員としての自覚(下田健一・下田純子)
- 日台次世代の新たな日台関係の構築を(原田泰宏)
- 6分6秒6を戦い抜いた英雄たちの物語り(小倉和彦)
- 参加すればより良い日本人になれる(大山猛)
- 日本人が失っている大切な精神との出会い(津留毅)
- なにおもふ きみのまなこに わがまこと(永濱浩之)
- 感謝状(永濱武司)
- 日本人であるということは嬉しくて有り難いこと(舩津邦彦)
- 祖父の面影にふれる慰霊の旅(松下美佳)
- 魂を磨き学んで行きたい(前田マツヨ)
- 反日教育の怖さと真実を伝えることの重要性(向井百合子)
- 台湾へ慰霊訪問(吉田周司)
- 烏来の山々に響く魂籠る「君が代」(吉田喜久子)
- 日本の心と時代の決意を伝えてゆく(森岡敬子)
- 人生が変わる旅(名越譲治・名越美智子)
- リップンチェンシン(髙間光廣)
- 日本の若者達に慰霊訪問を薦めたい(関文彦)
- 天からの御褒美、台湾慰霊の旅(鶴澤美枝子)
- 大きな母の胸に、温かく包まれた気持ち(富原浩)
- 体感できた日台の生命の絆(桐谷勝)
- 継続は力なり―慰霊訪問にマンネリなし―(岩本宣善)
- 初めての海外旅行は心に残る慰霊の旅(松葉邦子)