団員の声(感想文)
烏来の山々に響く魂籠る「君が代」
第三班 大山班 吉田喜久子
若い頃から私にとって台湾はアジアの中でも影が薄い存在でした。いつも銃をもった兵士が海に向かって監視をしているイメージ位しかありませんでした。ところがある時期に、初めて東洋一の烏山頭ダムを造った八田與一技師や、命懸けで台湾の近代教育の礎を築いた六士先生の存在等を知ってからは、私にとって台湾は身近で是非訪ねて行きたい国となりました。台湾文化を育成した日本人、台湾を近代社会に変えた日本精神をもっと勉強したいと思う様になりました。そして自分が受けてきた戦後の教育が如何に偏ったものであったか、素晴らしい日本の生き方を取り戻す為に今自分は何をしなくてはいけないかと、焦りにも似た感覚を覚えるようになって行きました。
今回初めて台湾慰霊訪問の旅に参加させて頂き、その大きな手がかりを得る事が出来ました事を心から嬉しく思い、感謝の気持ちでいっぱいです。
「イラ・フォルモサ」「麗しの島」台湾を訪れるのは初めてです。このような機会はめったにないと思い、息子を誘ったら「行ってみようかな」と親子で参加できたのも大きな収穫でした。
日本人兵士として戦った高砂義勇隊戦没英霊記念碑の前で、改めて、実際にここに来て心から慰霊と顕彰をしなければ分からない事があるのだということをひしひしと感じました。この「記念碑」一つにも、終戦から今日に至るまで地元の方々や多くの日本人が勇猛果敢な「民族精神」を後世に伝え、またその優秀さを世界に伝えようという涙ぐましい思いがいっぱい込められている事を知りました。オペラ歌手の鶴澤様の魂と力のこもった国歌「君が代」は私たち団員の心には勿論の事、烏来の山々とその地に眠る戦没兵士の英霊に響いたことと思います。日本の皇居の方向に向かって置かれている「さざれ石」にも手を合わせ、私たち日本人が忘れかけている「日本精神」「公の心」を色々な形で取り戻さなくてはと痛感致しました。
一見自由で平和な日本が、大事な糸を放たれた凧とならない為に精進し、子ども孫世代へその大切さを伝えて行かなくてはと思っています。
第7代明石元二郎台湾総督と秘書官鎌田正威氏の2つの鳥居が鎮座する林森公園をお参りする頃には大分日は落ちていました。大勢の市民で賑わうこの公園の一角に鳥居が鎮座するまでにも、明治、大正、昭和に亙って築かれた日本と台湾の深い絆、感動的ドラマが数沢山繰り広げられてきている事も知りました。シャンソン歌手の岡田様に合わせて国歌「君が代」を斉唱し、総督の英霊に向かって心からお参りさせて頂きました。
続く黄文雄先生による歓迎夕食会は暖かく熱気に満ち溢れていました。最初は慣れなくて緊張していましたが、親愛の情溢れる歓迎振りにすっかり溶け込むことが出来ました。黄先生と幸運にも同じテーブルでしたので先生の温かいお人柄にふれて、日台にとって、いや世界にとってもかけがえのない偉大な先生であることを再認識させて頂きました。李登輝前総統の愛弟子という周国会議員(女性)を初め各界で活躍されている多くの方が挨拶にみえて、おそらく先生はご馳走を口に運ぶことも叶わなかったのではないかと思っています。
初日に続いて5日間、朝6時のモーニングコールから就寝まで毎日、台湾の勇士の皆様と日本人の英霊に向かって心からの追悼と顕彰をさせて頂きました。それに加えて現地台湾の皆様との暖かい交流にも毎日感動感謝の日々でした。幸運にも3日目の台湾台日海交会様による歓迎夕食会で通訳をされた施鈴霜さんと席が隣同志になりました。時間の許す限り日本の事、台湾の事、家族の事を色々お話しました。翌日の宝覚寺慰霊祭でもお会いできることが分かっていましたので、昨夜話題にしていた蔡焜燦氏著「日本精神」という単行本を差し上げました。とても喜んでくださり、またの再会を固く約束して宝覚寺を後にしました。
全行程を書いていると長くなってしまいますので初日と半日の数時間の交流の思い出を書いてみました。この様に毎日多くの勉強、忘れられない体験、感動の時間を過ごすことが出来ました。これも偏に小菅団長の「海の彼方のニッポンを次の世代に繋いでいく」ことへの熱い思いと、その思いに刺激、引き寄せられて参集された人々が16年間に亙って友好的に且つ熱心に慰霊訪問を続けて来られた賜物だと心から感謝申し上げます。是非、また参加させて頂き日台の絆を深めて行きたいと思っています。この貴重な体験を自分だけのものにせず、一人でも多くの友人、知人、家族へ伝え広めて行かなくてはと思っています。
今も尚 日本精神脈々と 生くるこの地を 踏みて嬉しも
台湾の 慰霊の旅で蘇る 大和魂 育みゆかむ
第16次 団員の声(感想文)全25件
- 台灣との絆の深さ(松俵義博・松俵茂子)
- 台灣には心を呼び込む大きなものがある(永田昌巳・永田タマミ)
- 芝山巌事件と六士先生 ― 日本を映す鏡 台灣(木村秀人)
- 慰霊訪問団員としての自覚(下田健一・下田純子)
- 日台次世代の新たな日台関係の構築を(原田泰宏)
- 6分6秒6を戦い抜いた英雄たちの物語り(小倉和彦)
- 参加すればより良い日本人になれる(大山猛)
- 日本人が失っている大切な精神との出会い(津留毅)
- なにおもふ きみのまなこに わがまこと(永濱浩之)
- 感謝状(永濱武司)
- 日本人であるということは嬉しくて有り難いこと(舩津邦彦)
- 祖父の面影にふれる慰霊の旅(松下美佳)
- 魂を磨き学んで行きたい(前田マツヨ)
- 反日教育の怖さと真実を伝えることの重要性(向井百合子)
- 台湾へ慰霊訪問(吉田周司)
- 烏来の山々に響く魂籠る「君が代」(吉田喜久子)
- 日本の心と時代の決意を伝えてゆく(森岡敬子)
- 人生が変わる旅(名越譲治・名越美智子)
- リップンチェンシン(髙間光廣)
- 日本の若者達に慰霊訪問を薦めたい(関文彦)
- 天からの御褒美、台湾慰霊の旅(鶴澤美枝子)
- 大きな母の胸に、温かく包まれた気持ち(富原浩)
- 体感できた日台の生命の絆(桐谷勝)
- 継続は力なり―慰霊訪問にマンネリなし―(岩本宣善)
- 初めての海外旅行は心に残る慰霊の旅(松葉邦子)