団員の声(感想文)

日本人よ台湾に学べ

名誉顧問 日高誠

今回で3回目の参加となりましたが、約半数の人が初参加の方で、小菅団長の気遣いも大変だったと思います。田中将軍の廟は初めての参加で、私には乃木大将の静子夫人が祀られている点については俄に信じがたい感じがしました。原田事務局長の説明を聞きたいと思います。飛虎将軍廟に於いて小学校の学芸会に子供達が演じて居る話には感激しました。日本の学校では考えられない話であるからであります。

次に士林の六士先生の墓にお参りしました。添乗員の簡さんの説明によると、明治29年2月1日に六人の日本人教師がこのお寺で日本語の教育を始めたものの、未だ治安が悪く当時の生蛮族の反対で殺された事件で、戦後は墓を壊されて居たのを李登輝総統の時代に名誉を回復し現在の立派な墓が再建されたそうです。以降は毎年2月1日に台北から台南まで台湾中の総ての大学・高校・中学・小学校の生徒達が、朝礼時に六士先生の墓の方角に向かって礼をする、と言うことでした。この話は私にとって物凄い衝撃を与えました。何故ならば戦後66年の台湾の政治が現在の馬英九総統の国民党政権と同様であったのならば頷けますが、戒厳令下の政治から李登輝総統の時代になって初めて民主的政治が実施されて来た筈です。現在の馬政権はどちらかと言えば中国と友好を旨としている、と私は認識しているが、それでもこの様な国民教育が実施されているとするならば、翻って日本の日教組に毒されて国歌の君が代を歌わない、歌わせない教育界の状況を考えると、日本は台湾に学ぶべきであると思う次第であります。

台湾人の従軍看護婦で従軍し広東の陸軍病院で日本人看護婦と一緒に勤務された日本名東恵美子・陳恵美さんが「台湾人従軍看護婦追想記」と題する本を、日本の展転社から出版されています。戴いたその本の中に、終戦になって日本軍は当時の国民党軍に降伏の手続きをしたのであるが、国民党軍は台湾出身の300名の従軍看護婦を台湾に帰すけれどもお前達は元々中国人であるから、国民党軍に身柄を引き渡せ、と云うことになった。その時に婦長さんが「皆さんは国民党軍に行ったらどんな目に合うかも知れない。若し凌辱されるような事態になったらこの昇汞錠を飲んで自決しなさい。」と言って1錠づつ渡されたが、その様な事態は起こらなかった。しかし日本名「大林宏子」さんが「私は中国人に戻りたくない。日本人として死んで行きたい」とこの昇汞錠を飲んで自決された事が書いてあります。この記事を読んで感激しない日本人は一人も居ないと思います。うら若き19歳の乙女の心情を思うとき、日本の特攻隊の心情と愾を一にするものと思います。

アメリカの日本占領対策に毒されて国家観念を喪失し、生活の安定と自由を求めて権利のみの主張に終始し、義務や公共の福祉や国家在っての国民である事を知らない、知らせないメディアの態度は、恐ろしい思想教育の謀略としか考えられません。日米安保によって国家の防衛を他国の軍隊に任せ、自衛権が有るとは言え憲法によって武器の使用を放棄し、武器はあれども使用出来ない国家が独立国と言えるだろうか。警察官の正当防衛しか頭に無い憲法では、個人の責任で刑法に問われながら国を護れとしています。

台湾の人々が領台50年の間に学んだ事は「一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ…」と言う教育勅語の教えを受け継いでいるからです。今こそ日本は台湾に学ぶべきです。昨年の獅頭山勸化堂に於けるマニラから帰国した元警察官の方が「日本の皆さん速やかに教育勅語を復活して下さい…」と訴えられた顔が忘れられません。

日本は経済復興の為に共産中国と和を結び、台湾を中国の一部と認めて放棄しました。その台湾が常に共産中国の武力侵攻を背にしながら経済復興を果たし、中国にも多くの工場を進出している現実をみるとき、田中角栄を頂点とする歴代自民党政権の無能振りが今日の民主党政権の無策振りを招いている事を認識し、日本人の精神愬興こそ急務であると思うものであります。「主権在民」と憲法に書いてあっても主権とは国家に存在するものであって、国家あっての国民であるという大原則を忘れてはいけません。地方分権をうたう思想には、地方に主権ありとする民主主義の欺瞞と、そのように方向づけてきたアメリカや中国の意図、即ち謀略が潜んで居る事を読み取らなければいけません。その根は深くマルクスの共産主義理論やドイツのフランクフルト学派の思想(裏にユダヤ有り)が、100年前の日露戦争の時代から、何故英国は日本と日英同盟を結んだのか、米国の対日政策の歴史を分析して排日移民法撤廃から経済封鎖に至る経緯、そして日支事変に際しての援将排日、戦後の国共内戦にどちらを援助したか、ルーズベルト大統領は勿論、歴代大統領の側近に在ってその政策を操った裏の事情を勉強しなければ、今日の日本の置かれた状況を理解する事は出来ません。NHKをはじめ日本のメディアは総て牛耳られて、正論は一切報道されなくなっています。天皇陛下をはじめ皇室関係の報道における敬語の使い方を見ても、天皇皇后両陛下と申し上げるべき言葉を天皇ご夫妻と呼ぶが如きは、何時の間にか国民に我々平民と同じ目線で、同じレベルで皇室を見るように仕向けているのです。

外国人参政権にしても夫婦別姓にしても、選択するから良いではないか、と云うマジックがかかっています。私達はその方向が何を意味するのかを判断しなければいけません。多くの日本人は生活の安定が得られればその様な事には無関心ですが、これでは日本と言う地名は残っても日本と言う国は亡くなって行く事を改めて認識しなければいけません。これが生活よりも何よりも目下の急務であると思います。

「日本人よ台湾に学べ」…これが今回の慰霊訪問の成果であり、テーマでありました。来年も再来年も台湾に参りたいと思います。

第13次 団員の声(感想文)全22件

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