団員の声(感想文)

台湾で神様になった日本人巡査を訪ねて

第四班 倉田班 根之木昭憲

福岡県警在職中、公共工事に絡み執拗に不当要求する輩に、毅然と立ち向かう松俵建設会長と久々にお会いした時、会長は、自身の事より開口一番「日本人の巡査が台湾で神様に祀られている」と、逆に私の職務を励ます話や、台湾慰霊訪問団の存在を知らせられたが、私は来る日も燃え盛る事件現場から離れる訳にもいかず、月日は流れ、やがて警察を定年退職することになった。

今、自由な身になり、今回初めて第18次訪問団に参加出来たが、警察の垢が身に染み付いた私は、旅のプログラムの中でもやはり森川巡査の「富安宮」を、一刻も早くこの目で確かめたかった。

そして当日、小菅団長からお宮建立の歴史を聞きながら、自分なりにその施設を想像して森川巡査との対面を待ちわびた。

パンパンパンと、けたたましい爆竹が先ず私たち一行を迎えてくれ、眼前には荘厳な富安宮の建物が迫り、テレビ局まで動員して出迎えてくれた地域の人々など、すべて私の想像を遥かに超える場面に圧倒された。

建物に入り、森川巡査の制服姿の木造とその尊称の「義愛公」の文字を見た瞬間、金縛りのような緊張感が走り、「しまった、現役の時に来るべきだった」と後悔の念にかられた。

改めてお宮に刻む文字図形に食い入り、歓迎の人々の屈託のない笑顔を見た時、日本の警察学校では、巡査の卵に六法を紐解き、厳しい点検教練などを一から教育しているものの、何かもう一つ精神論が欲しい気がした。

この宮には警察官の魂が宿っている。無言の教えが肌で感じられる。今現職の後輩たちが1人でも多くこの地を訪れ、森川巡査の御神像を拝むことが出来たなら、治安を守る警察官の心の礎になると確信した。

富安宮に手を合わせて頂いた訪問団の皆様に感謝し、これから私は警察署廻りで忙しくなる。

第18次 団員の声(感想文)全18件

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