団員の声(感想文)
はるか台湾で輝く『警察魂』―義愛公「森川清治郎先輩に捧ぐ」
第四班 古賀班 藤末耕一郎
狂った日本・急増する警察不祥事
『夫婦殺害放火容疑、富山県警警部補を逮捕』世界に誇った経済大国日本も、もはや沈没状況。追い討ちをかける如く、取り締まる側の警察官の犯罪、不祥事が急増。新聞一面を飾る。警察官の犯罪その他、受理を渋り、ストーカー殺人、尼崎連続殺人の中心人物が留置施設で自殺、相次ぐ不祥事、緊張感薄れた警察組織…
台湾で知った『警察魂』
今回の『日華(台)親善友好慰霊訪問の旅』で私は、同じ警察官として打ち震える感動を覚えた。嘉義の何の変哲もない村、富安宮に分不相応と言うか、ゆうに三億円もかかりそうな立派な寺院が建立されようとしている。
史跡で見、村人から事実を聞いて、さらに驚くと共に感動感激の涙があふれ出た。日本の警察官である森川清治郎巡査を祀る寺院だと言う。台湾の人々のやさしき心、日本の警察官、我々の先輩警察官の心意気、こんな警察官がいたことに誇りと感謝。
明治23年(1895年)、森川清治郎巡査は当地に警察官として赴任。各地で強盗、窃盗横行。さらにマラリア・コレラなど伝染病蔓延の政情不安定な土地で、森川巡査は、本来の治安維持の任務はもちろん、塾を開き、自費で教師を雇っての教育の普及、排水溝を掘るなどの環境衛生啓発、農地の改良や農業技能の改善など村人と泥まみれになって働く。貧乏な生活、飢餓の渦巻きの中で年を越さねばならぬ村人に、餅を分け与えて共に新年の慶びを分かち合う慈愛に満ちた森川巡査。村民全体の愛と信頼と尊敬を得ていった。しかし思わぬ不幸がやってくる。台湾政府からの税金納付である。森川巡査は、千切り芋や葉を三食に生きる貧しい村民のために、税賦減免の嘆願をした。当時の警察官は税金の督促も職務であり、嘆願は、村民の納税阻止を先導している疑いをかけられ戒告処分。村民と苦楽を共に忠実な職務に徹し、責任感あふれる森川巡査は自殺を決意、村田銃が朝の静寂に響いた…森川巡査の屍体を抱きしめ声を上げて慟哭する村民…。
初めての台湾慰霊の旅に参加して、義愛公森川清治郎自尽して110余年の、生々流転の世にも森川清治郎への報恩の証としての寺院建立、そして台湾人の心の中に生き続ける森川清治郎先輩を拝し、心さわやかに台湾を後にした。
第14次 団員の声(感想文)全18件
- 『歴史とは虚飾、捏造、歪曲されない真実を後世に伝えていくもの』それが親善友好の絆となる(永石辰郎)
- 台湾との絆・交流を求めて(松俵義博・松俵茂子)
- 日本と台湾の歴史的淵源は深く絆は固い(永田昌巳・永田タマミ)
- 今も心に残る「海ゆかば」(矢ヶ部大輔)
- 懐かしい再会と日本文化の発見(原田泰宏)
- 小さくとも正しき基礎は、その後の発展を約束する(木村秀人)
- アイデンティティを共有した台湾と日本の強い絆(中島公明)
- 台湾教育の事始め―芝山巌事件における六士先生遭難(古賀誠)
- 悲でもなく辛でもない静かな涙で、喉詰まる国歌斉唱(青木繁政)
- 慰霊を中心とし、第一義とする。必要な物は集まってくる(石川秀久)
- 日台の深いつながりには重くて大切な過去がある(桐野隆徳)
- 森先生の「海ゆかば」(新谷章)
- 日本と台湾、生命の絆(中村哲)
- はるか台湾で輝く『警察魂』―義愛公「森川清治郎先輩に捧ぐ」(藤末耕一郎)
- 何とかして日本と日本人を守らなければならない(森敬惠)
- 「海ゆかば」(鎮魂歌)が外交部に響く(中山茂)
- 不思議な糸で引き寄せられる台湾(堂端聖子)
- 御英霊の命が生かされるように(清瀬武子)