団員の声(感想文)
日本と台湾の歴史的淵源は深く絆は固い
常任顧問 永田昌巳
第二班 中島班 永田タマミ
第14次日華(台)親善友好慰霊訪問団に参加させていただきました。4年連続の参加です。毎回のことながら今回も参加する中で団員の方からいろんな意味で多くを学ぶことが出来ました。
名誉顧問の永石様から「世界の徳育の手本となった教育勅語と修身」という本の紹介がありました。教育勅語が出来た背景、世界で教育勅語がどう受け止められているか、また、日本ではどうか、今後我々は教育勅語をどう受け止め、どう行動せねばならないか、学ぶことばかりです。
台南市の新化・民生路では教育勅語を奉納してあった奉安殿を拝見しました。歴史的建築として大事に保存されています。大事とすべきは何かを台湾の人々はちゃんと知っています。元校長先生が教育の基本について自信をもって話してくれました。今の日本ではほとんど見ることができません、語る人もいません。残念なことです。
森敬惠さんが参加されました。彼女は素晴らしい日本の歌を全国に広めていただいている歌姫です。台北の外交部を表敬訪問した時、「海ゆかば」を歌っていただきました。美しいメロディーと歌声が会場いっぱいに響きました。14次に亘る慰霊訪台の中で初めての出来事ではないでしょうか。何故こういうことが出来たのでしょうか。私は小菅団長の一言だったろうと思うのです。嘗て訪問団が外交部表敬訪問を申し入れたとき、中華民國外交部は、慰霊という字を取れば、もっと偉い人に会わせるという返事をしました。すかさず団長は、「尊い命をお国の為に捧げた御英霊よりももっと偉い方がおられるならば是非お会いしたい」と返答されました。この一言がすべてではないでしょうか。この時外交部は御英霊の日本魂を覚醒されたのではなかろうかと思うのです。
今回の訪台は「うたの慰霊訪問団」であったと思います。うたは御英霊の心を慰め、日台の友好の絆を深めてくれます。
鹽水小学校では新任された校長先生の巧みな横笛で「仰げば尊し」の合唱、また台湾の靖國神社「濟化宮」では「九段の桜」の吟詠、交流会では日本伝統の謡曲と仕舞、そして懇親会では懐かしい台湾の歌の数々、どれも慰霊と友好の輪を広げるものでした。
昨年、宝覚寺慰霊祭の時、原稿なしで祭文を上げられた高齢の台湾女性の劉さんとお話する機会がありました。流暢な日本語は娘が日本にいるからとのこと。祭文は何回も原稿を書く中で暗記してしまったことなどウラ話を聞くことができました。日本に行った時、若い日本人の女性と話をする中で、今日、自分達が惨めな思いで暮らさなければならないのは昭和天皇のためだと悪口雑言、「何を言っているの!今あなたがこうしていられるのは誰のおかげ?昭和天皇がおられなかったら日本は無くなっていたのよ」と叱ってやったと話されました。今の日本に歴史の真実をハッキリ言える気骨のある人が一体どれだけいるのだろうか。
嘉義県東石郷にある富安宮は私にとっては初めての慰霊訪問地でした。そこには森川清治郎日本巡査が祀られています。何とも寂しい漁村です。私達が行くと何人もの村人が寄ってきて見守ってくれました。村民の窮状に税賦減免を嘆願したが上司の逆燐に触れ、疑われては致し方ないと銃弾1発、咽喉を打ち抜き、最後は命は義によって軽しと永遠に孤高の人として生きる道を選んだ森川巡査。享年42歳。村人は嘆き悲しみ、森川を義愛公と称し富安宮に祀っている。
王振栄は著書、時空を超えて息づく「義愛公」の中で次のように記しています。台湾各地に多くの日本人が祀られているが義愛公、森川清治郎をもって嗃矢とする。しかも森川は最下級の巡査である。後世の人々に愛される人は生前に人を愛した人である。愛に国境はなく、誠の愛は万物の逆旅である天地に時空を超えて息づく。森川清治郎は台湾人の生活に身を入れ台湾人の心に愛を点してこそ義愛公として祀られている。森川清治郎の義と愛に感恩し、福瀬の村は貧しかった時代から終戦後の排日政策を挟んで八十星霜を閲して今日至るも一切の政治色を排し、銅臭もなく、虔誠に自彊息まず歴史の落葉を守り続けてきた。領台50年、日本と台湾の歴史的淵源は深く絆は固い、惟うに義愛公は日本人の誇りでもあるとも記している。台湾には日本にもっと広めたい日本人魂の史実が多くあります。
第14次 団員の声(感想文)全18件
- 『歴史とは虚飾、捏造、歪曲されない真実を後世に伝えていくもの』それが親善友好の絆となる(永石辰郎)
- 台湾との絆・交流を求めて(松俵義博・松俵茂子)
- 日本と台湾の歴史的淵源は深く絆は固い(永田昌巳・永田タマミ)
- 今も心に残る「海ゆかば」(矢ヶ部大輔)
- 懐かしい再会と日本文化の発見(原田泰宏)
- 小さくとも正しき基礎は、その後の発展を約束する(木村秀人)
- アイデンティティを共有した台湾と日本の強い絆(中島公明)
- 台湾教育の事始め―芝山巌事件における六士先生遭難(古賀誠)
- 悲でもなく辛でもない静かな涙で、喉詰まる国歌斉唱(青木繁政)
- 慰霊を中心とし、第一義とする。必要な物は集まってくる(石川秀久)
- 日台の深いつながりには重くて大切な過去がある(桐野隆徳)
- 森先生の「海ゆかば」(新谷章)
- 日本と台湾、生命の絆(中村哲)
- はるか台湾で輝く『警察魂』―義愛公「森川清治郎先輩に捧ぐ」(藤末耕一郎)
- 何とかして日本と日本人を守らなければならない(森敬惠)
- 「海ゆかば」(鎮魂歌)が外交部に響く(中山茂)
- 不思議な糸で引き寄せられる台湾(堂端聖子)
- 御英霊の命が生かされるように(清瀬武子)