団員の声(感想文)

第11次日華(台)親善友好慰霊訪問団に参加して

第三班 田中班 永田昌巳

慰霊訪問団に初めて参加させていただきました。スケジュール的には少し過密だったけど私にとっては充実した素晴らしい研修でした。

訪問地の先々で地域の方々に心温まる歓迎やもてなしを受け、又毎日昼食会を催していただいた台湾の友好団体の皆様に心から感謝とお礼を申し上げたいと思います。これも偏に11年間の永きにわたって民間外交を慰霊という尊いかたちで続けてこられた小菅団長以下の皆様の実績によるものであろうと思います。

台湾には親日家が多いとはよく耳にしていましたが、お隣りの韓国や中国、北朝鮮は反日国家であるし今でも反日歴史教育を行っています。それなのに台湾は何故親日なのかという疑問が私の心の中に少なからずありました。しかし今回の訪問団の一員として当地を訪れてみて、初めて日台の歴史の真実に触れ目から鱗がとれたようにパッと明るくなりました。

高速バスの車からみる圃場は見事に整備され稲やバナナ、ミカン、パイナップルなど豊かな実りをつけています。何とも美しい農村風景でありました。この素晴らしい農業の基礎整備を最初に手掛けたのは、明治から大正の時代にかけて活躍した優秀な日本人技術者であったことを知り驚きであり、発見もありました。日清戦争勝利後の明治28年より日本の台湾統治が始まりました。それからというものは農村分野にかぎらず衛生面での改善、病院や学校、道路などインフラの整備に力を入れ、台湾の近代化の礎をつくったことを学ばせていただき日本人の誇りを感じさせていただきました。

台湾にはまだ敬虔な祈りや共同社会の営みが残っていました。保安堂(高雄)の御神体は日本軍艦の模型と艦長の頭骨であり、飛虎将軍廟のそれは日本空軍の飛行士、杉浦茂峯兵曹長です。双方とも海と空から台湾の民衆を守り、勇敢に戦った日本軍人であります。日本軍人はいまや台湾の人によって神として手厚く祀られていることに驚きます。日本人として深い感謝と敬意を表わさずにはいられません。

大東亜戦争以前のアジアの歴史は欧来列強による植民地支配の歴史でもありました。このような列強の略奪や搾取の植民地政策の中で日本はどのような政策をとっていたでしょうか。多くの日本人はその真実を知りません。敗戦という負の遺産を背負う中で戦前の良き思いを語ることはもはやタブーに等しい時代です。中国におもねる反日教育、マスコミによる反日、反台報道は去る四月に放送された「NHKスペシャル、ジャパンデビュー第一回、アジアの一等国」にみられます。いかに歴史を歪曲した偏向番組であったか実際この台湾の地に立ってみて初めてわかることができました。

台南県の烏山頭水庫の堰堤に立った時、台湾の人々が日本人を真に尊敬していることを実感します。「嘉南大圳の父」と呼ばれる八田與一技師の高い技術力と、それを10年間という長きにわたって財政面で支え続けた日本政府の領台政策は立派としか言いようがありません。日台のダム建設労働者が明日を夢みてともに汗を流し合い働いている姿を想起する時、尊いものに触れた思いにかられました。

東洋一の烏山頭水庫はセミハイドロリックフィル工法により築造され、今も土砂に埋まることなく満面と水を湛えています。ここから放水された水は24,000kmにわたって張りめぐらされた水路を経て嘉南平野の15万ヘクタールの田畑を潤し、60万人の農民がその恩恵を受けているという、まさに台湾の豊かな農業の出発点ここにありと言っていいです。搾取なき統治、現地の人々との共存共栄の政策が国策として台湾にあったことが、直かに接してわかることが出来ました。

小高い丘に建てられた八田技師の銅像は一見ロダンの「考える人」に似ているが、私にはこれからの台湾農業の発展を「見つめる人」にみえてなりませんでした。現地に身を投げた夫人と共に眠る墓前に万感の思いを込めて線香をあげさせていただきました。

旅の4日目、11月25日は台中市の宝覚寺で行われた「大東亜戦争旧日本軍台湾軍人軍属慰霊祭」に参列しました。日本軍人として戦没した3万3千余柱の英霊に対して追悼の誠を捧げることができました。霊安故郷の碑の前に立ち「君が代」を斉唱するのは初めての経験であり、魂の琴線にふれる強い思いにかられました。

貴重な体験の中で今後の継続を強く思う反面、高齢化と「親中教育」の中で厳しい状況にあることも紛れもない現実です。

劉校長先生の塩水國民小学校を訪れることができました。将来を担う子供達の明るい笑顔、蛇踊り、鼓笛隊の温かい歓迎をいっぱい頂いたことは何より嬉しかったです。言葉が通じない世代になったが、心が通じ合える世代をこの子供達に託したいです。「大きくなったら是非日本においで!」と帰り際に声をかけ、言葉がわからないので黄さんに通訳してもらいました。子供達が大きくうなずく姿をみてバスに乗り込みました。

同行した妻の反応は「何かいいことをしてきたみたい」ということでした。旅を意義あるものにしていただいている小菅団長様をはじめ皆様に心からお礼を申し上げます。

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