団員の声(感想文)

台灣先住民たちの民族の誇り

常任顧問 永田昌巳
第二班 池田班 永田タマミ

第15次日華(台)親善友好慰霊訪問団に参加し大東亜戦争において尊い命を散華された台湾同胞3万3千余柱の英霊に日本代表の心をもって尊崇の誠を捧げた。また台湾各地に祀られているご英霊にも顕彰を続け、これまでお世話いただいた人たちとの友好を深めた。

今度で5回目の訪問になるが毎回新たな出会いと発見があり、充実した旅行であった。また今回は事務局より訪問先の歴史など記した学習資料を作っていただき、良く理解でき有り難かった。

初めて訪問した忠烈祠では衛兵の交代式が行われていて、多くの観光客で賑わっていたが、我々は本殿の中華民國革命烈士璽位の前に案内され、抗日戦争を戦って戦死した国民党戦士の霊に献花と敬虔なる黙祷を捧げた。祖国のために尊い命を犠牲にした敵国戦士にも素直に義勇を讃えた。それができるのが今の日本と台湾の関係だろう。案内してくれた国民革命忠烈祠管理組合長の楊光耀氏の丁寧な説明は好感が持てたし、孫文の革命運動に参加し戦死した山田良政が日本人としてただ一人祀られているのには驚きであった。

今回は飛虎将軍廟を訪ねる前に海尾朝皇宮にお参りした。海尾の守り神「保全大帝」を祀るこの廟は飛虎将軍廟の本山で、大帝のお告げで飛虎将軍廟が造られたという歴史を知った。この飛虎将軍廟で地元安慶国小学校の黄俊傑校長先生にお会いすることができた。昨年は子供たちが飛虎将軍杉浦茂峰少尉が敵機と空中戦の末、死をもって集落を救った劇を演じている写真を見て感激したが、先生の話によると、この学校では飛虎将軍を讃える歌や教科書を作り、政府にも認めさせ、子供たちに公共や愛国について教育を行って日台友好に寄与しているというから愕きであり関心させられた。

屏東県枋寮郷にある東龍宮にも昨年に続き参拝した。そこで思わぬ人に出会った。東龍宮は田中綱常将軍ほか日本人のみを祀る廟で、石羅界さんが祭主を務めており、その子息である李光立さんが中心となって田中綱常将軍のご遺族を捜査中だが、その子孫も皆故人となり消息は追えていない。お告げと史実が繋がるまであと一歩だと学習資料には記してあるが、何と田中将軍のお孫さんにあたる田中祥子さんが現れたのだ。この東龍宮に祖父が祀られていることを知り、初めて東京からお参りしたということであった。これも英霊のお告げだろう。この日は地鎮祭と合わせ太鼓や龍舞いなど老若男女ともども村を挙げての祭りが盛大に行われ、日台の友好の絆が深まった。

台湾を知ろうと思えば「水を知れ」、台湾には「飲水思源」という言葉があるそうだ。水については嘉南大圳の父、八田與一が一番に挙げられるが今回初めて鳥居信平が造った二峰圳(地下ダム)の現場を見ることが出来た。源を大武山に発する林辺渓(川)の川底は砂礫がゴロゴロで水はほとんど枯れていたが、信平はその川底の下を流れる伏流水に目を付け堰き止め、進水塔に集水した水を勾配を利用し、下位の台湾製糖公司まで水路をつくり引き込む大灌漑施設を造ったのだ。建造90年を経過した今もなお清流が絶えることなく流れ、村人の生活用水ともなっているのには驚きである。

この二峰圳を造るのには日本人技師、鳥居信平の偉大な土木技術と地元先住民パイワン族の協力がなければとうてい完成は成されなかったであろう。この地下ダムは彼らの大切な猟場や漁場に配慮して自然を壊すことなく設計されている。また信平は調査の段階から先住民との交流をはかり、誇り高きパイワン族が本来持っている優しさや親切さを充分知り尽くし信頼を得ていたうえ、頭目とは義兄弟の契りをも結んだと言われている。屏東県來義郷はパイワン族の居住地で、バスから見る道路沿いの石堤には色彩豊かに狩猟や舞踊の様子が描かれ、また喜楽發發森林公園には立派な民族衣装をまとった部族の人々の絵がダイナミックに描かれている。

この日本人と台湾先住民パイワン族の豊かな信頼関係に水をさすように、NHKは「NHKスペシャル」でパイワン族の生活状況を人間動物園の動物扱いにしたとして、その人権無視の放送姿勢が問われ、原告のパイワン族に訴えられた。

私たち訪問団が帰朝したのは11月26日であったが、2日後の11月28日、東京高裁は待っていたかのようにNHKはパイワン族の名誉を傷つけたと認定し、逆転勝訴を言い渡した。

この番組は、日本の統治を振り返る内容で、日本の統治が台湾の人々に深い傷を残したというものだが、裁判では逆にNHKこそ台湾の人々に配慮と真実性を欠いた乏しい報道によって深い傷を残したと指摘した。

パイワン族をはじめ、台湾の原住民たちは民族の誇りをもっている。日本人でありながら日本民族の誇りすらもたないNHKをはじめとする日本の反日メディアはどう反省するのだろうか。

第15次 団員の声(感想文)全14件

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