第21次 帰朝報告

期間:令和元年11月22日(金)~11月26日(火)

参加者:75名

11月25日(月)

今後は慰霊訪問団が主体で宝覚寺大慰霊祭挙行を継続

慰霊訪問の旅の最大の目的である台湾台日海交会主催の「原台湾人元日本兵軍人軍属戦没者大慰霊祭」に参列するためホテルを出発して宝覚寺へ向かいました。到着すると、先ず境内の一画にある「日本人遺骨安置所(日本人墓地)」で慰霊式を執り行いました。墓前に整列し、国歌斉唱、国旗敬礼、黙祷に続き、横尾顧問が献花、挨拶され、その後団員全員が線香を手向けて回向しました。台湾の関係者の皆様をはじめ、日本人観光客の方々も献香して下さり、台湾の地で多くの日本人が亡くなられていることを知っていただき、この日本人墓地の存在を心に留め置いていただければと思いました。

日本人墓地での慰霊式を終え、福岡県海友会の軍艦旗を先頭に霊安故郷碑前での慰霊祭の席に就きました。小菅団長が2月に訪台した折、台湾台日海交会の幹部の皆さんと今後の慰霊祭について協議し、慰霊祭の挙行は慰霊訪問団が引き継ぐことになっておりましたので、今回までは台湾台日海交会主導で斎行することになりました。

原隊長率いる甲飛喇叭隊の儀仗兵入場によって慰霊祭は幕を開けました。日台両国の国歌斉唱、国旗掲揚に続き、軍艦旗が掲揚され、周良仁会長が開会を宣言、挨拶をされました。英霊への熱い想いがこみあげ、涙で言葉をつまらせながらのご挨拶でした。次に訪問団の役員等の紹介があり、各人が簡単な挨拶をしました。黙祷の後、原田団長代行が献香、献花、献果に続き祭文を奏上し、最後に参列者全員で「海ゆかば」を合唱して慰霊祭は幕を閉じました。

小菅団長を追悼し、日台合同で感謝祭を斎行

続いて、7月に急逝された小菅亥三郎団長の追悼と感謝祭が催行されました。小菅団長の遺影ならびに等身大の御姿が入場し、除幕の後、遺影に対し敬礼、黙祷を捧げて開式しました。富原副団長の主催者挨拶に続いて、大山副団長が「誓いの言葉」を奏上し、追悼の誠を表しました。引き続き、参列者を代表して横尾顧問ならびに周会長、羅副会長、林前会長、元従軍看護婦の廖淑霞さんの四氏が白菊を献花し、田口団長代行より羅水連副会長へ遺影と等身大御姿が贈呈されました。昨晩訪れた羅氏の博物館に飾っていただくことになっており、これで小菅団長は台湾の皆様と共に行き続けることとなるでしょう。贈呈式後、団長が大好きだった「抜刀隊」を参列者全員で合唱して一体感を感じました。最後に万歳三唱をして閉式となりました。

慰霊祭後は会場を移し、台湾台日海交会主催の歓迎昼食会です。昨年までは昭和初期を思わせるレトロ調の会場でしたが、今年はとてもシックで落ち着いた雰囲気の会場での歓迎会でした。周会長の歓迎の挨拶後、団員一人ひとりに会長よりお土産が手渡され、和やかに昼食会が始まりました。各テーブルで談笑しながら美味しい料理をいただきながら親交を深めました。1時間半あまりの楽しいひと時を過ごし、来年の再会を固く約してお暇乞いをし、次の訪問先へ向かいました。

台湾の靖國神社に祀られる4万余柱の御霊

台中を発って約1時間半で苗栗県北埔の南天山濟化宮に到着しました。歓迎の電飾文字と共に謝鏡清董事長とお宮の皆さんが、笑顔で出迎えて下さいました。謝氏の案内で本殿に集まり、全員で国旗敬礼、国歌斉唱をした後、田中副団長が献花し、長年に亙りご英霊を祀ってこられていることに謝意を表しました。続いて原田団長代行が祝詞を奏上し、謝氏は通訳を介して、ここに4万余柱の御霊を祀るようになった経緯等を話されました。献花式を終えた一行は、靖國神社から分祀された霊璽を拝見させていただき、追悼と感謝の誠を捧げました。

社務所前に戻るといつものお餅とお茶が用意されており、美味しくいただいた後、記念写真を撮り、濟化宮を後にしました。

新竹駅で新幹線に乗り換え、台北駅に到着し、バスに乗り込んで、黄文雄先生が待っておられる夕食会場「紫都」へ向かいました。

会場に着くと、黄先生をはじめ、いつものように国の内外から国を代表する方々が馳せ参じておられました。毎年このような場を設けてくださる黄先生のご配慮に感謝の気持ちでいっぱいです。

会の冒頭、小菅団長に全員で黙祷を捧げた後、元駐日經濟文化代表處代表(大使)の羅福全氏が挨拶に立たれ、原田団長代行の答礼の辞の後開宴となりました。香港における民主化デモの動きが、来年の総統選挙で民進党に有利になるだろうが、中国の選挙妨害や工作には油断できないという話があちこちで聞かれ、蔡英文氏の勝利が台湾の更なる民主化に追い風となることが期待されます。

政界、財界、教育、福祉、言論界ならびに報道関係と幅広い分野で活躍される方々ばかりなので、いろんな話しに花が咲き時の経つのも忘れてしまう程の盛り上がりでした。一息ついたところでお開きとなり、宿泊先に帰って旅の疲れを癒しました。

(文責:原田和典)

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