団員の声(感想文)

教育勅語や古事記を諳んじる日本語世代

第三班 班長 岩重誠

「台湾は世界で一番親日的な国である」と人からよく聞き、書籍でもそのような内容を何度も目にしてきた。私は日本史の教師として、実際にそれを自分の目で見て、肌で、心で感じたいと思っていた。その絶好の機会となったのが今回の慰霊訪問である。

学校の授業では中華人民共和国については詳しく学習するが、台湾についてはそれほど強調されていない。大人でも日本統治時代の状況や、大陸と台湾の関係を正しく理解していない者は多い。まして台湾において、かつて日本人として戦った人々がいて、それを今、大切に祀ってくださる人々がいることをどれほどの日本人が知っているのだろうか。私自身も実際に現地を訪れるまではそれを意識したことがなく、日本人として申し訳ない思いがこみ上げてくる。

今回の訪問では多くの台湾人に出会った。中でも印象に残っているのが、かつて日本の統治時代を知る高齢の方々だ。今なお流暢な日本語を話すことはもちろん、教育勅語や古事記を諳んじる人もいて、その姿に感動で胸がいっぱいになった。また、戦後生まれの台湾の人たちからも、日本に対する好意がひしひしと伝わってきた。戦後の国民党による統治でどれほど反日教育を行っても、かつて日本人として育まれた魂を、彼ら彼女らから消し去ることはできなかった。戦後の教育で、大和魂、日本精神を見失ってしまった日本とは大きな違いである。今度は我々が台湾から日本人としての魂、精神を学び直すべきであろう。

また、現地では2組の日本からの修学旅行の生徒たちに出会った。最初の学校はバスですれ違っただけであったが、2組目の学校は、最終日の昼食会場で隣同士の部屋となった。東京からの高校生とのことであり、彼らは広い会場で賑やかに食事をしていたが、その様子は周囲の客への配慮を欠いており、教師の話も聞かず悪ふざけが目立った。同じ日本人として恥ずかしい思いがした。現在の海外の修学旅行の多くは、観光地を訪れ、地元の高校生と交流し、美味しい料理を食べ、買い物をするといった内容である。しかし、それだけではもったいない。修学旅行で台湾に来ても、見る目、感じる心がないと得るものは少ないのだ。これを改める鍵こそ、今回の訪問団のような慰霊や日本統治時代を知る人々との交流である。このことが、生徒たちに日本人としての誇りと台湾への感謝の気持ちを持たせることに繋がり、自ずと立ち居振る舞いも変わって来るであろう。

そして私自身も、教師としてやるべきことが明確となった。今回の経験と学んだことをしっかりと生徒に伝えていかなければならない。思えば今までの授業は、何と血の通わない内容を語ってきたのだろう。これからは、授業において台湾を扱う時、その説明は間違いなく今までと違ったものとなる。余りにも熱が入りすぎて、授業が進まなくなるのではないかと少し心配になるくらいだ。

子供たちに日本人としての誇りと、公のために尽くす志を持って生きてもらいたい。教師としてそう願っており、もちろん私自身もそうありたい。今回の慰霊訪問の旅は、この思いを改めて強くさせてくれた。台湾統治に情熱と真心を込めた戦前の日本人、我々が忘れた日本精神を守り抜いてくれている台湾人、そしてこの慰霊訪問を運営された方々に心より感謝したい。

第17次 団員の声(感想文)全11件

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