第13次 帰朝報告
期間:平成23年11月22日(火)~11月26日(土)
参加者:45名
11月23日(水)
ホテルで朝食を摂った後、一行は台北駅8時36分初の新幹線621号で、台南駅までの1時間45分の快適な新幹線の旅を楽しみました。台南駅に着くと専用バスに乗って飛虎将軍廟へと向いました。実は飛虎将軍廟は10月末に精神障害のある地元の女性に放火され、被害を受けていたのです。現地に着くと、廟は原形をとどめ、内部も一部焼毀の後が残るだけで、昨年までと殆んど変わらない姿だったので安心しましたが、毎年奉納し続けていた博多人形や干支の置物が焼失していたのが正直残念でした。
廟の前に整列した一行は、廟顧問の蔡志宏氏の進行で、「君が代」の斉唱、献香、献花、献果、玉串奉奠、「海ゆかば」斉唱、萬歳三声と地元の作法で慰霊式を執り行いました。その後御祭神の杉浦茂峰兵曹長以下三柱に煙草を献上し、呉進池堂主他地元の方々から寒天(?)の入った飲物と果物のおもてなしを受けながらしばし談笑にふけりました。記念写真撮影の後、名残を惜しみつつ次の目的地奇美博物館へと向かいました。
奇美博物館に着くと、顔馴染の照子さんと新榮市からわざわざ出向いて来られた何怡涵さんが出迎えて下さいました。何さんは昨年道路で転倒して頭を打たれ、2度も大手術をされたと聞いていましたので心配しておりましたが、足取りもしっかりしておられて安心しました。石榮堯氏と前館長も交えて、準備されていた昼食のお弁当をいただいた後、照子さんの案内で館内を見学しました。夥しい数の展示品を一つひとつ説明を受けながら感動して見て回りましたが、近い将来移転の計画があるそうで、この地で見学できるのは今回か次回が最後になるかもしれません。見学を終えた一行が正面玄関前で記念写真を撮ろうとしていた時、アメリカからのお客様と外出中だった郭玲玲館長が駆けつけられ、「間に合って良かった」と笑顔を見せられて、ご一緒に写真に収まりました。
奇美博物館の皆さんに見送られて出発したバスは、屏東にある東龍宮を目指しました。ここは田中網常将軍が祀られている廟で、福岡の辦事處の呉沛晃副領事からぜひ訪れてほしいと勧められていた所で、高い階段の上に威風堂々たる立派な廟が建立されていました。到着すると堂主の石羅界さんと11月上旬に訪問団の事務局を尋ねて来られた息子さんの李光立さんや10数名の地元の方々が暖かく出迎えて下さいました。早速国旗敬礼、国歌斉唱、黙祷、献花の手順で慰霊式を斎行した後、石羅界さんから田中将軍からのお告げによる建立のいきさつ等の話しを伺いました。廟の一隅には、東龍宮を紹介した西日本新聞の記事が貼ってあり、以前目にしたこともあって、不思議なご縁を感じました。廟を守っておられる地元の方々と、バナナやポンカンをいただきながら談笑し、暖かいおもてなしに故郷に帰った時の様な安堵感を覚えました。
名残を惜しみつつ東龍宮を後にした一行は高雄市に戻り、黄明山台湾支部長主催の歓迎夕食会に臨みました。会場には支部長のご家族やご親戚、そして職場の中国鋼鉄の社員の皆さんが待ち受けておられ、1年振りの再会を喜び合いました。支部長の長女で訪問団事務局の黄楷棻の通訳で、支部長の歓迎の挨拶、団長の答礼の挨拶に続いて開宴となり、各テーブルで歓談の輪が広がりました。宴が進むにつれて、東京から参加の古老の方々の歌と踊りで大いに盛り上り、80代とは思えぬパワーに改めて感心しました。恒例となりつつある「アイビャージャエイヤー」の合唱の後、来年の再会を約して会場を後にし、宿泊先の華園大飯店で旅の疲れを癒しました。
(文責:原田和典)