臺中國家歌劇院

エピソード - 台中国家歌劇院 ~ 日本の建築家・伊東豊雄の3次元曲線

新設された国家級大型公共ホール

台中国家歌劇院は台湾の中央に位置する台中市西屯区の再開発エリアにある大型公共ホールである。台北市の国家両庁院に次いで30年ぶりに新設された国家級のホールで、日本の建築家・伊東豊雄が設計し、総面積は、57,686平方メートル、高さ37.7メートルの地上6階、地下2階で、総工費は43.6億元に及ぶ。院内は大劇場、中劇場、小劇場とそれ以外の飲食店や空中花園を備える屋外小劇場で構成されている。胡志強市長時代に台北や高雄との都市インフラ格差を是正すべく建設を決定、平成21年(2009)12月に着工、林佳龍新市長のもと平成28年(2016)9月に正式オープンした。

「サウンドケープ(音の洞窟)」をコンセプトに「カテノイド(懸垂面)」を用いた3次元曲線の壁面が最大の特徴で、58枚の大きさの異なる曲面パネルを組み合わせた高難度の工法が採用されている。盃の形をしたコンクリートとガラスの壁面が交互に現れるインパクトのある外観は、「世界9大ランドマーク」のひとつとして称えられている。壁面のコンクリート部分には不規則に穴が開いていて、夜になるとその穴から光が漏れ、まるで盃に入ったアルコールの気泡のように映し出される。都心の高層ビルが立ち並ぶ中に、緑を伴なう優しい曲線を醸し出す建物が異彩を放っている。

(文章:五郎丸浩/第20次結団式)

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