篤行基督長老教會

エピソード - 篤行基督長老教会 ~ 胡順來先生安息告別禮拜

原台湾人元日本兵軍人軍属大慰霊祭斎行戦友会の二本の柱 逝く

平成26年(2014)8月16日、台中市の篤行基督長老教会で斎行された、故胡順來先生の葬儀には日華(台)親善友好慰霊訪問団を代表して小菅亥三郎団長と松俵義博常任顧問の2名が参列した。

平成25年(2013)6月に台湾台日海交会の林徳華先生、そして平成26年8月の胡順來先生とあいつぐ訃報に接し、台湾慰霊訪問団の団員は深い悲しみに包まれた。平成2年(民國79年)11月25日に台中市・宝覚寺に英魂観音亭、霊安故郷碑を建立され、以来25年の長きにわたり、会員の皆様と共に「原台湾人元日本兵軍人軍属大慰霊祭」を斎行されてきたことに心より敬意を表す次第である。台湾の中のニッポン(領台時代、統治時代とそれを担った原台湾人のこと)が少しづつ、それも確実に消えていっている。しかし、いつか必ず来るであろうこの時のために営々と築き上げてきたのが慰霊訪問事業であり、その主体が慰霊訪問団である。

これからが、20年の歳月をかけて蓄えてきた力の発揮のしどころと思って、鋭意この天命に取り組んでいくつもりである。

以下、胡順來先生への小菅団長の追悼の辞を紹介する。

追悼の辞

台湾中日海交協会会長・胡順來様の突然の訃報に接し、団員一同深い悲しみに包まれています。昨年11月25日、慰霊祭後の歓迎夕食会を体調不良で欠席されておられましたので、案じておりましたが、薬石効なく黄泉の国へと旅立たれましたこと残念でなりません。

思い起こせば、平成11年の秋、「原台湾人元日本兵軍人軍属大慰霊祭」にご招待いただき、台北の松山空港で娘と一緒の私を出迎えて下さったのがご縁のはじまりでした。以来毎年11月に貴国・台湾を訪問した折には、多くの会員の皆様と共に私たち訪問団員を出迎えて下さり、心のこもった歓待をしていただき、感謝の念に堪えませんでした。今年も11月にお会いして、旧交を温めることを楽しみにしておりましたのに、かなわぬこととなり残念至極でございます。

貴会が毎年11月25日に、先の大東亜戦争で日本兵軍人軍属として大東亜の解放と祖国防衛のため尊い命を捧げられた3万3千余柱の英霊のために、慰霊祭を斎行されてこられたことに心より敬意を表します。

胡順來様に代表される台湾の皆様は、私たち日本人と共に決然起ってアジアにおける西欧列強の植民地支配をことごとく崩壊せしめ、何人(なにびと)も押しとどめようのない民族解放、民族自決の潮流を巻き起こされた世代です。戦争目的から言えば、人類史上、大東亜戦争ほど勝利した戦いはありませんでした。かつての差別大国である米国の大統領に黒人が選ばれることも元を正せば貴方様の世代が人種平等、民族解放を掲げて戦われたからであります。

英霊の皆様は自分の声に耳を傾け共感してくれる人を求めています。ぬくもりを探しています。なぜ自分は戦ったのか、何のために戦ったのか、を後世の私たちに必死で伝えようとしています。その気持ちを一身に体現されて私たちの世代に伝えて下さった胡順來会長のご遺志をしっかり受けとめ、次の世代に引き継ぎ、日台両国と両国民のより強固な生命の絆の構築に務めてゆく決意ですので、どうか安らかにお眠り下さい。

本日8月16日は今を遡ること69年前の昭和20年に、アジアの民が民族自決と自らの国家建設に向けて歴史的な第一歩を踏み出した記念すべき日であります。団員を代表しまして、謹んで哀悼の意を表しますと共に、ご冥福を心よりお祈り申し上げます。

平成26年(民國103年)8月16日

日本国 日華(台)親善友好慰霊訪問団
団長 小菅亥三郎

(文章:五郎丸浩/第20次結団式)

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