寶覺禪寺

エピソード - 宝覚禅寺 ~ 高さ30メートルの黄金色の弥勒大仏

心を和ませる巨大な布袋様

台湾の中央に位置する台中市は、18世紀末に漢民族が大量に移住し、明治17年(1884)には「台湾巡撫使」が台湾省府を置いたこともある。平成22年(2010)12月25日、台中県と台中市を合併し、新たに中華民國の直轄市となった。人口およそ278万人、台湾第2の都市である。「台中」という名称は日本統治時代に作り出されたもので、当時、静かで綺麗であるため「台湾の京都」と言われていた。

昭和2年(1927)に創建された「宝覚禅寺」は健行路にあり、旧正殿は鼓楼式建築で、日本式寺廟建築の伝統的な要素を残している。もともとの建物を保護するため、周囲に大型のコンクリート建造物を建築し旧殿を包み込んでいるのが特徴である。

この寺を有名にしているのは「弥勒大仏」(布袋様)で、高さ30メートルの黄金色で、温和な笑顔をたたえている。現地のガイドによれば、この大仏の耳を触ると幸福が訪れ、へそに触れると「へそくり」が増え金持ちになるという。しかしながら、大仏は大きく、その耳やへそに触ることは出来ない。そのため楽な姿勢をした小型の弥勒仏が置かれている。観光客はこの大仏を目当てにやってくるが、境内には台湾各地で亡くなられた日本人を祀る「日本人遺骨安置所」、大東亜戦争で散華された3万3千余柱の原台湾人元日本兵軍人軍属が祀られた「霊安故郷碑」「英魂観音亭」があり、毎年多くの日本人が参拝に訪れ、慰霊祭が行われている。

(文章:五郎丸浩/第20次結団式)

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