喜楽發發森林公園

エピソード - 喜楽發發森林公園と鳥居信平像

喜楽發發林森公園

屏東県來義郷丹林村復興社區、林邊渓の畔のパイワン族の村に喜楽發發吾(シロファファウ)がある。川には原住民色たっぷりの丹波林大橋が掛かる。橋を渡らずに「發・東東休憩區」の方へ行くと、そこに鳥居信平の造った地下ダムが存在する。しかし、水はない。ダムはこの林邊渓の地下に存在する。鳥居信平はこの地下を流れる伏流水に着目し、地下ダムの建設を計画した。ここの伏流水は1年中干上がることなく、用水路にたっぷりの水を送ることができ、今もその進水塔が近くにあるが、中に貼られている解説の下には、当時鳥居信平がパイワン族タナシュウ(丹林)社頭目と交わした契約書の写しが印字されている。

ダムの近くには「喜楽發發森林公園」があり、そこに鳥居信平の記念館(二峰圳水資源歴史文物館)がある。公園に入るとすぐに鳥居信平の胸像がある。この公園は小ぶりだが気持ちのよい公園で、この社區の活動の中心として用いられている。舞台の横にパイワン族伝統の石板屋があり、看板も何もないがここが「鳥居信平記念館」といわれている。以前は資料も保存されていたらしいが、石板屋のため湿気にやられてしまうので移してあるとのこと。

鳥居信平はお酒が好きで、ここの頭目と潰れるまで飲み明かすこともしばしばだったという。腹を割った付き合いの末、地元パイワン族の協力の下に造られたのがこの二峰圳であり、90年経った今日でも変わらず、澄んだ美しい水を休まず供給している。

(文章:五郎丸浩/第20次結団式)

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