日月潭

エピソード - 日月潭 ~ 祖先の霊が眠る神聖なる場所

原住民「サオ族」と白鹿の伝説が残る日月潭

日月潭は、台湾中部の南投県にある台湾最大の湖で、その面積は827ヘクタール、周囲は33キロメートルである。山々に囲まれ、台湾屈指の美しい景観を作り出している。

日月潭の由来は、湖の西側に浮かぶ光華島を境にして、東側が「太陽」、西側が「月」のような形に見えることからその形を基に、日月潭と呼ばれるようになった。光華島は台湾の原住民「サオ族」の旧居住地であり、「祖先の霊が眠る神聖な土地」でもある。

日月潭には「白鹿伝説」が残っている。…今は昔、サオ族は山間部で狩りをして生活していた。ある日、山で狩りをしていると一頭の白鹿が前をよぎった。その白鹿を仕留めようと弓を撃ち、追いかけるが、どれだけ追いかけても白鹿は捕まえることが出来ない。そして、幾日か経った頃、突然目の前が開け、大きな湖が現れた。その周辺の山には多くの動物が生息し、湖には魚がいることがわかった。結局、白鹿を捕らえることは出来なかったが、白鹿は食料も水も豊富な日月潭にサオ族たちを導いたのである。これを知ったオサ族たちは日月潭に移住することを決めたのである。…そのため日月潭周辺は現在もサオ族の居住地であり、日月潭に浮かぶラル(拉魯)島はサオ族の祖霊の眠る聖地とされている。

また、日月潭は「国立風景区」に指定されており、人気の観光地となっている。日月潭から見る夕日は特に美しいと言われ、「双潭秋月(日月潭で見る秋の月)」は台湾八景のひとつに数えられている。

(文章:五郎丸浩/第20次結団式)

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