黄明山・葉美麗ご夫妻

エピソード - 黄明山・葉美麗ご夫妻と黄楷棻

日台の懸け橋・黄楷棻が切り拓いた誠心の交流

私たちは原台湾人元日本兵軍人軍属3万3千余柱の英霊に深甚なる慰霊の誠を捧げるため、平成11年(1999)から18年に亙り、台湾訪問を継続してきたが、英霊のご加護により現地台湾に、黄明山・葉美麗ご夫妻を支部長とする念願の支部を授けられるまでになった。このご縁を結んでくれたのが、支部長の娘の黄楷棻である。

彼女がわが国・日本との懸け橋になろうと日本語を学び、来日したのは平成16年(2004)の春だった。九州を代表する私学の雄、福岡大学に留学し大学院を終了したのが平成18年(2006)の3月。彼女は前月の2月から九州不動産専門学院に働きに来てくれていたが、卒業後、正式に就職することになり、福岡大学の卒業式当日にお父様の黄明山氏とお祖父様の葉竹根氏が揃ってご挨拶に来られたのが全ての始まりだった。それから6年5ヶ月、一所懸命働いてくれ、誰もが真似の出来ない立派な足跡を残してくれた。そして、「台湾慰霊訪問の旅」を担当することを通して「中華民國の国民」として来日したにも拘らず「立派な台湾人」になってくれた。この旅を通して彼女は自国・台湾が大切に残してくれている「日本統治時代の日本」に出逢い、「中華民國・台湾」とは違う全く別の世界の台湾、すなわち先輩が日本人だったころの台湾に出逢い、郷愁を感じるまでになったのだ。戦後の台湾に生まれ、戦後の日本に留学し、戦前の領台時代を発見し、当時の台湾人の心を共有するまでになった。

なお、彼女は平成24年(2012)から昨年6月まで台湾支部事務局長の任にあったが、平成28年(2016)6月5日の第14回台湾特別講演会で支部長代行に就任。また第15回台湾特別講演会で林信一氏が前任者の林家瑋の後任となり第3代事務局長に就任し台湾支部を守ってくれている。台湾支部の陣容は、黄明山支部長、黄楷棻支部長代行、林信一事務局長、蔡淑如事務局員、蔡詠福事務局員の5名で山口県美祢市の後援を受けて今日に至り、台湾支部独自のフェイスブックを立ち上げるなど活動の輪を広げている。

(文章:五郎丸浩/第19次結団式)

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