日本人墓地(高雄)

エピソード - 日本人墓地 ~ 覆鼎金公墓

高雄の日本人墓地

昭和36年(1961)3月、台湾の全面協力により、日本統治時代に亡くなられた日本人の遺骨が集められ、北部地区は中和禅寺に、中部地区は宝覚禅寺に、そして高雄や台南他の南部地区は高雄市の覆鼎金公墓地区内の「日本人遺骨安置所」にそれぞれ埋葬された。

覆鼎金公墓は高雄駅からバスで15分ほどの丘の上にある。一帯には、台湾人の個人の公墓もありその一角に日本人墓地もある。広さは約300坪あり、墓全体をガジュマルの枝葉がおおい、遠くからでも目につく。

日本大使館が昭和36年(1961)3月に建てた由来碑があり、そこには次のように記してある。

「これはもと台湾運輸株式会社社長、故杉本音吉の墓であったが、今般、中国政府並びに関係遺族の承認を得て当館が若干修理した後、南部地区日本人遺骨安置所として活用したものである。特にここに記して感謝の意を表す。」

新たに建てたのではなく、故人の墓を活用したというところに当時のなにがしかの事情を反映しているように察せられるが、大きく立派な墓地である。墓石もかなりの高さがあり堂々と聳え立っている。

(文章:五郎丸浩/第20次結団式)

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