壽山公園
エピソード - 壽山公園 ~ 忠烈祠になった高雄神社
眼下に高雄港や高雄市内を展望
寿山は高雄市の南西部に位置し、南北に走る珊瑚礁の上にできた丘陵である。古くは麒麟山、埋金山、打狗山、打鼓山とも呼ばれた高雄市の象徴で、緑豊かなこの山は、もとは平埔族という原住民が狩りをしながら暮らしていたところである。万寿山公園は寿山公園とも言われ、現在は公園、忠烈祠、動物園がある。山頂からは、西子湾の夕日や高雄市の夜景を眺望できる。
中腹にある高雄市忠烈祠には中華民國国軍で戦死した英霊が祀られており、社殿は中国風の建築となっている。ここは、かつて日本統治時代に高雄神社のあったところで、神社は戦後、中華民國の忠烈祠へと変わり、社殿も後に取り壊され、新たに中国風宮殿様式の社殿が建てられたが、今も大燈籠や狛犬、石碑など高雄神社の遺跡を確認することができる。
明治45年(1912)2月5日、寿山の下に打狗金刀比羅神社の社名で創建された。大正9年(1920)5月、能久親王が増祀され、打狗神社に改称され、同年12月に更に高雄神社に改称された。昭和3年(1928)11月8日に社殿を寿山の中腹に遷座し、昭和7年(1932)4月22日に県社に列格された。御祭神は能久親王、大物主命、崇徳天皇であった。平成30年(2018)、境内にあった燈籠が復元され、再設置された。
参道下にあった高雄市武徳殿は、小学校施設を経た後に復元され、現在も武道場として使用されている。
(文章:五郎丸浩/第20次結団式)