夜市(高雄・六合路)

エピソード - 六合夜市 ~ 台湾で最も魅力ある夜市

台湾の庶民生活に触れる場所

夜市は、主に中華圏や東南アジアを中心に存在する。夕方から真夜中にかけ営業する屋台、露店、雑貨、売店、移動販売などの集合体である。特に熱帯や亜熱帯地方では昼間の暑さを避けて比較的快適な夜に人々が外出するために夜市が発展し、庶民の憩いの場、生活の場として愛されている。

台湾では観光資源としても重要な役割を果たしている。かつては日本でも各地に屋台が多くあったが、国が豊かになり、道路占有や食品衛生に関する法律が整備され、人々の嗜好も変化していく中、屋台が姿を消していく気配である。台湾のように観光目的や文化的な遺産として夜市を残したいという発想がある一方で、時代の変化の中でこれらのビジネスモデルがどのように変化していくのか興味深いところである。

高雄の六合夜市は、昭和25年(1950)頃から始まった夜市で、もともと「新興区」という空き地の場所に小吃(ラーメンのような中華料理)の屋台が出店し、徐々に小さな屋台が集まり、次第に規模が大きくなり、「大港埔夜市」と呼ばれるようになり、さらに屋台の数が増え、現在の「六合夜市」となり138の屋台が軒を連ねている。夜市の通りは普段は車道となっているが、昭和62年(1987)以降、毎晩18時から翌日2時までの間は歩行者天国となる。

高雄の夜市は、高雄港が栄えている街ということもあり、ほとんどが海鮮料理の店で味も日本人向きかも知れない。台湾交通部観光局が選ぶ「最も魅力ある夜市」に、台北の士林夜市とともに選ばれている。

(文章:五郎丸浩/第20次結団式)

お問い合わせお問合せ