巴宰族部落文化聚会所

エピソード - 巴宰族部落文化聚会所

台湾少数民族の巴宰族

巴宰族(ぱざいぞく=パゼッへぞく)は台湾原住民の一つで、平埔族の一支族に分類されています。元来は、台中縣豐原、神岡付近の内陸ぶを中心に分布していましたが、現在は主に南投縣埔里に居住しています。

16世紀には岸裡社、烏牛欄社、阿里史社などの集落を形成していて、1669年の呑霄社(どんとうしゃ)事件では清朝に協力し呑霄社の叛乱に後見しています。独自の言語を有していて、米を中心とした耕作、狩猟、漁業などを行い、社会組織は男子会所制度による年齢階級を備えた母系社会です。三義郷、郡の記録では古くから巴宰族が住んでいたとされていますが、現在、苗栗縣鯉魚潭村地域の居住民族数は200人と少なくなりました。しかし、民族独自の男子会所制度は現在も機能し貴重な先住民遺産となっています。

巴宰族部落文化聚会所の建設の願いは、集落の人たちにとって先祖の叡智の結晶であり、正式な文化遺跡博物館への第一歩でした。そして、民族の収蔵する文物総てを社会のために寄附し、縣府の補助を受け、2007年8月14日に文化聚会所が博物館としてオープンしました。決して広くはありませんが、巴宰族の伝統的生活用品や古代楽器、土地の売買契約書などの展示など、民族の文化を理解する貴重な場所となっています。

(文章:五郎丸浩)

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