第15次 帰朝報告

期間:平成25年11月22日(金)~11月26日(火)

参加者:32名

11月23日(土)

丁教授の詳しい説明で地下ダムの謎が解ける

ホテルで早目の朝食を摂った一行は、台北駅から新幹線で高雄の左營駅まで行き、その後専用バスで屏東へと向かいました。2日目の第1の訪問先は、大正12年に鳥居信平技師が完成させた、屏東縣丹林村にある二峰圳地下ダムです。伏流水を利用した地下ダムとはどんなものか想像できませんでしたが、現地で屏東科技大学の丁澈士教授が自作の資料に基づいて詳しく説明して下さり、特別に地下の様子を見せていただいたので納得できました。教授の説明なしに現地を見ただけでは、恐らく何も解らなかっただろうと、感謝しています。

更に教授に灌漑水路等を案内していただいた後、喜楽發發森林公園に立ち寄りました。そこで鳥居信平の胸像や旧資料館を見学し、90年前の技師と地元パイワン族の交流に、しばし思いを馳せました。

田中綱常将軍の御子孫と運命的な邂逅

次に向かったのは黄事務局長の嫁ぎ先のお母さん、石羅界さんが建立された東龍宮です。実は私たちの訪問日に合わせて、お宮の改築のための地鎮祭が設定されていたのです。、東龍宮に着くと、舞台が設けられていて、村中の方々が私たちを出迎えて下さいました。早速、御祭神である田中綱常将軍の前で、国旗敬礼、国歌斉唱、黙祷、献花の慰霊式を斎行し、御祭神の1人である乃木将軍に、団員の石川秀久さんが献詠されて取りおさめました。そして奇遇なことに、田中将軍の孫の姪にあたる田中祥子様の消息が判明して、ご子息と一緒に東京から来宮されていたのです。田中将軍の御子孫と運命的な邂逅も果たし、お告げと史実が繋がる奇跡に遭遇することができ、言葉にいえない不思議なものを感じました。

その後地鎮祭の祭事が始まり、地元の少年たちによる獅子舞が奉納され、田中様と小菅団長の祝辞の後、鍬入れの儀式が行われました。最後に主宰者に促されて訪問団員も工事の平穏を祈念して鍬入れをしました。

念願の保安堂の新廟が完成

爆竹の大音響に見送られて東龍宮を後にした一行は、高雄に戻って保安堂を訪れました。建立中だった新廟が完成し、電光掲示板も設置されて、「歓迎日華(台)親善友好慰霊訪問団」の文字が輝いていました。地元の皆さんが見守る中、国旗敬礼、国歌斉唱、黙祷、献花、団長挨拶に続いて、新廟建立の記念の楯が団長、常任顧問、副団長に贈られました。新廟の中でいつものぜんざいや茶菓をいただいて談笑した後、12月の落慶式への出席と来年の再会を楽しみに、お暇乞いをしました。

夕食は黄明山、葉美麗台湾支部長ご夫妻主催の歓迎夕食会でした。会場に着くと、支部長ご夫妻をはじめ、ご家族やご親族、そして支部長の会社の方たちが暖かく出迎えて下さいました。黄事務局長の通訳で、支部長、団長の挨拶が終わると開宴となり、顔馴染みの方も多く、旧交を温めました。各テーブルが盛り上がっている中を、支部長ご夫妻と黄事務局長の日本の両親ともいえる団長夫妻が事務局長と揃って挨拶に回られ、日本風の「おもてなし」に感じ入りました。恒例の歌も続いて別れ難い思いでしたが、来年の再会を約してお開きとなり、一行は宿泊先の華園大飯店で旅の疲れを癒しました。

(文責:原田和典)

帰朝報告の系譜

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