第13次 帰朝報告

期間:平成23年11月22日(火)~11月26日(土)

参加者:45名

11月25日(金)

いよいよこの日は、慰霊訪問団の最大の目的である「原台湾人元日本人軍人軍属大慰霊祭」への参列です。宝覚寺に着いた一行は、門前に供えられた慰霊団の花輪の前を2列縦隊で行進して境内に入り、先ず日本人遺骨安置所(日本人墓地)で物故者1万4千余柱のご冥福をお祈りするため慰霊式を斎行しました。お酒と果物をお供えした後、国旗敬礼、国歌斉唱、黙祷、献花、団長挨拶に続いて2人ずつお線香も上げました。今回は浄土宗西福寺住職の塩先晋照様がご一緒でしたので、皆さんが線香を上げておられている間読経をしてもらいました。読経の中での回向は初めてでしたが、眠っておられる方への本当にいい供養になりました。

続いて、私達の慰霊式を遠まきに見守っておられた日本人観光客にもご焼香をお願いし、記念品の手拭いをお配りしましたが、その数何と70名以上に及びました。実はこれには伏線がありまして、宝覚寺の門扉に慰霊式・慰霊祭の予告と参加お願いの札を掛けていたのです。それをご覧になった方々がお集まりになったので、今までにない数になったのだと思います。

慰霊式を終えると、「霊安故郷」の碑の前に移動し、慰霊祭に参列しました。前日の歓迎会でお見受けした方々の姿が何人もありましたが、参列者が年々減っているのが気がかりです。昨年「台湾の若い人をもっと沢山連れて来る」と発言された許世楷前駐日台湾代表のお姿がなかったのが残念でした。ご遺族や各団体の代表による祭文奏上が続きましたが、今年の団長の祭文は東日本大震災に際しての台湾からの群を抜くご支援の淵源が五十年の台湾統治を通じて培われた兄弟感・一体感にあることを喝破した格調高い内容で参列者に深い感銘を与えました。

慰霊祭が終わると、台湾の皆さんと一緒に記念写真を撮り、境内を散策した後、中日海交協会主催の歓迎昼食会会場へと向いました。会場には胡順來会長や会員の皆様がお揃いで、会長の開会の挨拶に続いて小菅団長がお礼の挨拶をし、開宴となりました。早速胡会長がアコーデオンを弾いてサービスして下さったり、カラオケが続いたりで大いに盛り上がりを見せました。1年振りの再会で話が尽きませんでしたが、次の済化宮へ明るいうちに着くように、名残を惜しみつつお開きとなりました。

新竹にある台湾の靖國神社・済化宮に着いたのは16時過ぎで、日が暮れる前に訪れたのは久し振りでした。謝鏡清菫事長の案内で本殿へ上り、献花に続いて二礼ニ拍手一礼で参拝した後、永田昌巳副団長が「九段櫻」を吟詠されて、ご英霊の御霊に捧げました。その後靖國神社から分祀された4万余柱の霊璽を拝見させていただき、社 務所の前で特製のお餅とお茶をいただきました。

謝菫事長をはじめ職員の皆さんの見送りを受けて出発した専用バスは一路台北市を目指しました。市内のレストランでの夕食会では、岩本宣善班長の粋な取り計らいで、11月生れの団員に「故郷」の合唱の誕生プレゼントがあったりと、台湾最後の夜を満喫しました。夕食を終えて、宿泊先の慶泰大飯店に着くと、希望者10名余りは士林夜市の見学に出かけました。再開発で夜市が移転するかもしれないという計画があるそうですが、相変わらずの賑わいで、沢山の露店と人出に今年も台湾の活力を感じ、中国に負けるなと心の中で声援を送りました。小一時間の散策を楽しんだ後、ホテルに戻り帰国の為の荷物の整理をしました。

(文責:原田和典)

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